『フリーライターとして稼いでいく方法、教えます。』

 

フリーライターとして稼いでいく方法、教えます。

フリーライターとして稼いでいく方法、教えます。

 

 

この本は、あるライティングのセミナーの参考図書として紹介されていた本で、タイトルにもひかれて読みました。

フリーライターになりたい」と思っている方は、読んでおくべき本だと思います。

 

ライターになるのは簡単、難しいのは実践?

この本は、ライティング、文章の書き方の本ではありません。全くの未経験から、「文章を書くことを生業にし、楽しく仕事をしつつ、しっかり稼ぐ」ライターになるための実践方法が綴られています。

ライターになることは簡単です。自分で「ライターです」と名乗ればよいだけですから。難しいのは、ライターとしての仕事を見つけ、文章を書くことで稼いでいくこと。特に、第一関門が「ライターの仕事を見つけること」だと思います。

これについて、著者は「まず、自分から行動すること」「実績は、自分で作ること」をすすめています。

 確かに、出版社や編プロなど仕事を頼む側からすると、素性の知れない人間がいきなり「ライターです」とやって来ても、すぐに仕事を任せようとは思わないだろう。
 実績を作るにはまずどこかで書かないといけない、けれど書かせてもらうためには実績がないといけない……という、“鶏が先か卵が先か”のような状態から抜け出すにはどうすればよいか。ここで声を大にして言いたいのは、「実績は自分で作るもの」ということだ。(p.38)

 

 若手ライターが実績を積むための手段はたくさんある。サークルでも市民団体でも何でもいい。経験や実績が積めそうなところであれば、積極的に参加してみよう。僕も駆け出しの頃、地域ガイド系のフリーペーパーやWebサイトを運営している団体に入り、ライターをさせてもらったことがある。ボランティアではあるが、経験や実績にはなるし、たくさんの人と出会うことができる。そこで「ライターです」とPRしておけば、何かあったときに声がかかることがあるだろう。まずはどんなことでも手を付けてみるといい。やってみて、合わなかったら辞めてしまえばいいだけなのだから、考えるより先に動き出してしまおう。(p.53~54)

 

私自身、この本を読んで「まずは、自分から動かないと。」と気づき、動いたことで、webライターの仕事を見つけることができました!

 

 「何でもできます」=「何もできない」?

ライターになると、たいてい、得意分野とか専門分野を聞かれます。ライティングのセミナーを受講していた時も、聞かれました。

これについて、著者は次のように述べています。

 クマムシ博士ほどの専門性が無くても、あなたが何らしかの強みや得意分野を持っていれば、ライターとしての実績・経験の少なさを補ってくれる強力な武器となる。しかし、新人のうちから得意分野があるライターはなかなかいないだろう。正直、それはそれで全く問題ない。その代わり、自分の好きなことやしたいことを整理し、せめて「どんなライターになりたいか」「どんなことを書きたいか」は、すぐ答えられるようにしておこう。
 一つ注意しておきたいのは、奇をてらって人と違うことをしても意味が無い、ということ。「自分には大した得意分野が無いから、あまり人がやってないことをしよう」と変わったことに手を出しても、それは上っ面だけのものになる。一時的に評価されたとしても、長続きはしないだろう。一発芸人がいい例だ。そうならないよう、自分が好きなもの、したいことがあれば、それを軸にふくらませていくのがいいだろう。(p.73~74)

 

 駆け出しで仕事が少ない頃、いろいろな仕事をしたいのは誰でも同じだと思う。けれど、「何でも書きますので、どんな仕事でもください」というのは、ライターにとって弱みでしかない。「何でもできる」というのは、「何もできない」と同義語であるからだ。得意分野があると、その分野では重宝される一方、仕事の幅は確かに狭まる。例えば鉄道ライターに、グルメやビジネスの執筆依頼はこないだろう。しかし、それを恐れていたら、ライターとしての自分はいつまでも確率できない。
 クマムシ博士のような得意分野が無い限り、駆け出しの頃は幅広い経験を積む必要があるし、実際に仕事を選ぶ余裕もないだろう。だがある程度実績を積む中で、自分は将来どうなりたいか考え、仕事を取捨選択していくことが大事だ。僕もかつては、得意分野であるビジネス系や求人・人材系のほかに、エンタメ系や教育系、医療系など様々な仕事をしていた。それでも徐々に、得意分野以外の割合を減らしていき、いまではほとんどしていない。月に何十万もの原稿料をもらっていた仕事も、ライターとしてのキャリアを考えてずっと続けるべきではないと感じたときは、思い切って止めてしまった。フリーランスは不安定なので、苦渋の選択ではあった。けれど、辞めたことによってできた時間を、自分がしたい分野での企画作りや売り込みに費やした方が、必ずやライターとしての成長につながるだろう。(p.79~80)

 

「何でもできる」は「何もできない」と同義語である。…この部分を読んで、

「自分には得意分野はないから、何でもやってみるしかないのかな?」

と思っていた私は、ドキッ、としました。つまり、自分には何もできないっていうこと?? 実際、履歴書を書いていて、自分には何も書くことがないや、と非常に悩みましたし。

 

自分自身が思ってもいなかったことが、相手からは得意分野・専門分野と評価されることがあります。それは、自分がやってきた仕事であったり、趣味だったことだったり。

私の場合は、「図書館司書歴30年」「20年以上歌舞伎を観てきた」ということあたりをまずは得意分野・専門分野として使っていこうかと思っています。

実践しながら、自分のできること・苦手なことがわかってくると思うので、必要があれば、徐々に軌道修正していけばいいのかな、と考えています。

 目先の損得だけではなく、長期的な視点で見たとき、「自分はどんなライターになりたいか」「そのためにこの仕事はどんな意味があるのか」を意識して、一つひとつ取り組んでいこう。(p.141~142)

 

まずは、自分のできることを、きちんと、確実に実践していくのが大事だと思っています。

 

ライティングは難しいけれど、楽しい、かも?

実際に、ライティングを始めましたが…。難しいですね…。

「これでいいのだろうか?」と悩みながらやっているので、現在は、思った以上に時間がかかってしまいます。でも、ライティングはおもしろいし、やりがいもあります。

まずは、ライティングに慣れること。その後は、いかに効率よくライティングできるようになるか。併せて、もっと企画なども出せるようになりたいと思っています。

 文章が上手くなるのは、「文章読本」を読んだり、名分を書き写したりと、様々な方法がある。しかし、僕はたった一つしかないと考えている。それは、とにかく書くことだ。書いて人に読んでもらい、ダメ出しされる。その繰り返しでしか文章は上手くならない。間違いなく。
 大事なのは、赤字を素直に受け入れることである。(p.114)

 

 機能する文章を書くためには、自分が書いている記事の内容を、まず自分が理解していないと、読者に伝えることができない。わからなければ、その場で聞くことを心掛けよう。それで勉強不足だと怒られたら、仕方ないと割り切ろう。(p.137~138)

 

  数をださないといけない、けれど一本一本の質も確保したい。そんなときは、「自分が好きなこと」ではなく、「自分が面白いと思うこと」を企画作りの原点にしよう。僕の場合は、新聞やネットニュースから企画の素材を拾うことが多い。時事ニュースを題材にすれば、先に説明した「なぜ今、その企画なのか?」はすでにクリアされているため、その題材をいかに面白くすればいいかに注力できるのだ。(p.159)

 

フリーライターとして手引書の1つ

この本には、著者自身が実践で学んだライターとしての実績を作る方法、文章上達方法、企画の作り方、インタビューや取材のコツなどのノウハウや、フリーランスのメリットやデメリットなど、様々なことが書かれています。私自身は、とても参考になりました。

このほかにも、フリーライター向けの手引書はありますし、ネット記事もたくさんあります。

 その中から、自分にあった方法を見つけ、まずは動いてみることが大事です。動かないと、何も変わりません。