『一流のプロ講師が実践している話し方』を読んで、「話し方のコツ」を学ぶ
この本は、プロ講師のプロデューサーであり、コーディネーターでもある著者が垣間見たり、講師たちから教えてもらった「話し方のテクニック」の中からビジネスシーンや日常会話で使えるコツを紹介するというもの。大学の授業でも使えるコツがあるのではないかと、読んでみました。
人前で話すのは苦手です……
私は、人前で話すのは苦手です。
図書館勤務時代は、イベントの司会や研修講師、図書館の案内など、人前で話す機会は何度もありました。回数をこなすうちに、何となくコツはつかめますが、毎回、ドキドキでした。
今年度から始めた大学の授業でも、毎回緊張しますし、授業が終わるたびに一人反省会をしていました。もちろん、ぶっつけ本番はなく、毎回、リハーサルをしたり、頭の中でシミュレーションしたり、いろいろ考えています。
話し上手、というよりも、うまく相手に伝わるように話をしたいと思っています。
「話し上手」になるコツはあるのか?
著者によると、話し上手になる方には、「話を聞いてくれる方のために話すことを大切にしている」という共通点があるとのこと。
一流のプロ講師は人気があればあるほど、伝えたいことが相手に伝わるように話すにはどうすればいいか、想いが届くように話すにはどうすればいいかをつねに考えています。
言い方を変えると、その心意気がある人ほど話し上手になり、研修、講演に参加した人からの評判が高まり、人気が出て、一流のプロ講師となっていくのです。(p.15)
確かに、「プロ講師」と呼ばれる人であっても、最初は初心者であり、みなさん、自分なりに試行錯誤を重ねてきたのだと思います。
プロ講師は、必ず話す前に、話したいことは何か、話すべきことは何か、あるいは話すことによって実現したいことは何かを明確にし、そのためにどうするかを考え、講演内容を構築します。(p.20)
恐らく、これはプロ講師に限らず、プレゼンなどでも当然行うべきことではないでしょうか? これができていないと、いくら上手に話したとしても、伝わらないと思います。
そして、上手に伝えるためには、相手によって話し方を変えることも戦略として不可欠になります。人との出会いは一期一会。ちょっとした心づかいが相手の印象をも左右するのです。
やはり、準備が大事
上手く伝えるためには、やはり、事前準備が不可欠です。
プロ講師として成功する方は事前準備を念入りにしています。
相手は誰なのか、聞き手(クライアント)はどういうことを望んでいるのか、どんな雰囲気の会場で話すことになるのかなど、様々なことを考えて、原稿や資料を準備します。(p.45)
もちろん、体調管理も事前準備の一つ。自分にとってベストの状態で臨むための、あらゆる面からの準備をしなくてはいけないと、強く認識しています。
逆に、準備が足りないと焦りも出て、余計に緊張してしまうような気がします。人前で話すことに慣れていないのであれば、リハーサルは必須だと思っています。
リハーサルの効果について、著者は、以下の3点をあげています。(p.70)
- 問題点が見つかるので、修正をしてから本番に臨むことができる。
- 事前に流れを体験できるので、本番がやりやすくなる。
- 「すでにリハーサルをした」という自信を持てるので、本番での緊張感が和らぐ
リハーサルをすることで、いろいろな問題点が見つかりますし、流れも改善することができます。ただ、本番前にどこまでやるかの判断は難しいですね……。 リハーサルも余裕をもってやれればいいのかもしれませんが。
「うまく話す」よりも「うまく伝える」
著者は、話がうまくなるには、次の5つの要素のバランスがとれていることが大事であると述べています。(p.84)
- 話の内容
- 話している人物の態度と声
- 話がどれだけ整理されているか
- 話が具体的かどうか
- 自慢話を抑え、失敗談を笑いに変えられるか
この中の5つ目は、今の私には難しすぎるかも……。
1~4は、心がけるようにしていると思います。緊張しているとつい早口になってしまうこと、滑舌が悪いことはわかっているので、人前で話すときは、少しゆっくりめに話すように気をつけています。それと、話はできるだけ具体的ではないと、話している自分自身も、聞いているあいても「?」になってしまうような気がします。抽象的なことを言った時は、その後に具体例を話すような工夫も必要なのかもしれません。これは、話す時だけではなく、書く時も同じではないかと思っています。専門用語など、つい使ってしまいますが、相手によっては、わかりやすく翻訳して説明することも必要です。
パワーポイントで説明する際のポイント
最近は講演会などでもパワーポイントを使うことが多くなっています。パワーポイントをうまく使うために意識する点として、著者は以下の7点をあげています。(p.125~126)
- 字は大きく、1ページにあまり多くを盛り込もうとしない
- 画像は、1ページにあまりたくさん使わない
- あまり色を多用せず、統一感を持った資料をつくる
- 必ず話の内容に則した資料をつくる
- リンクしてネットに飛ばすのではなく、画像を資料内に組み込むようにする
- パソコン内を整理し、事前にプロジェクターとの互換性や配線を確認する
- パワーポイント資料が突然、使用できなくなった際の対策をしておく
個人的な好みなのかもしれませんが、実は、私は作り込まれたパワーポイント資料が
苦手です……。自分がパワーポイントの資料を作る時は、かなりシンプルに作っているような? シンプルな方が、実は見やすくて、伝わりやすいのではないかと思っているのではないかと思っているのですが、どうなんでしょう?
「話せる自分」の売り出し方
この本の最後のまとめとして、プロ講師として稼ぐために知っておきたいことが書かれていますが、これらは、プロ講師だけではなく、フリーランスにも不可欠なことかもしれないと思いました。
自分のウリ(=セールスポイント)を知り、自分のことを知ってもらうために、SNSで発信を続けること。この点は、私はまだまだ不十分……。今年は、この点をもう少し強化していきたいと思っています。
できるかな?