『オンライン講座を頼まれた時に読む本』を読んでみた

オンライン講座を頼まれた時に読む本

オンライン講座を頼まれた時に読む本

  • 作者:天笠 淳
  • 発売日: 2020/09/19
  • メディア: 単行本
 

 

来年度も、大学で授業を担当する予定です。

昨年12月に届いた大学からのシラバス登録の案内によると、来年度は、「原則、対面授業を想定」とありましたが、実際にどうなるか、全く予想がつきません。授業時間が105分に延びることから、今年度に実施したことをベースに、紹介する図書館の事例を探したり、内容を考えているところです。

同時に、授業のしかたについても、今年度の反省から、改善に向けて情報収集中です。

この本『オンライン講座を頼まれた時に読む本』は、「オンライン講座の講師を1、2時間頼まれた時に、前日に何を準備しておけば、安心してパソコン(カメラ)の前に座れるか」を前提に、著者が考えるコツを紹介しています。私自身、オンライン授業を行う中で実践していたこともありましたが、自分のやっていたことを確認するともに、こうすればもっと良くすることができるかもしれないヒントを得ることができました。

 

オンライン・コミュニケーションに必要な3つの要素 

個人的には、「第2章 オンライン・コミュニ―ケーションが上手くいくコツ」と「第5章 音声と映像に関する配信環境づくり」が役に立ちました。

 

オンライン・コミュニケーションに必要な要素として、著者は

  1. 印象
  2. 伝える力
  3. 聴く力

の3つを上げています。

 

「印象」を良くするために注意すべきポイントは

  • 自分の表情が相手にわかりやすいよう、可能な限り部屋を明るい状態にする。
  • ノートパソコンに付属しているカメラを使う場合には、パソコンスタンドなどを利用してノートパソコンの位置を高く設定し、カメラの高さと目線の高さを同じにする。

の2つ。これは、授業の時も試行錯誤しながら実践していたと思います。zoomでの打合せなどに参加している時に、意外と他の参加者の印象が気になります。

 

「伝える力」を高めるためには、「自分の主張について、どんなプロセスで話を展開していくか」を相手に説明するMAP(=地図)法と呼ばれる手法を使うのが良いそうです。具体的には次のようなことで、これは対面研修でも実施すべきことなのだとか。

  • 全体像を伝える
  • 話す手順を伝える
  • 何ページまで解説するのかを伝える
  • 何分聴いて欲しいかを伝える
  • 何分話したら意見をもらい、その後まとめるなど、解説のプロセスを伝える
  • 何分ディスカッションしたら発表してもらい、講師がまとめた後に休憩を取るなどを伝える

 

「話すスピード」は、あまりこだわらなくても良い? 

「話すスピード」については、そこまでこだわる必要はないとのことですが、 私は緊張すると早口になりがちなので、オンライン授業の際は、少しゆっくり話すようにしていました。もちろん、あらかじめ読み原稿を用意しておきます。パワーポイントの画像を共有しながら、説明を読み上げていくような形で行いました。

授業前日にリハーサルをして、所用時間と、自分はどこでつまずきやすいのかを確認をしていました。リハーサルをして、「ここは、もう少し詳しく説明した方が良いかも?」と思って、慌ててパワポを追加修正することも多かったかもしれません……。

読み原稿の準備と事前のリハーサルは、来年度も必要だと思っています。

 

休憩時間を入れる

「集中して傾聴できる時間の限界は30分」と言われています。特に、オンライン・コミュニケーションの場合は、聴くことに疲れるので、適宜、質疑応答を入れたり、休憩を入れる必要があるのだとか。

ただし、オンライン授業の場合は、質疑応答を入れても質問がない場合ほとんどでした。もしかしたら、質問がしにくいとか、質問をするタイミングが難しいとかあるのでしょうか?

来年度から授業時間も105分に延びるので、途中で強制的に休憩時間を入れる構成にしなくてはいけないと考えています。

 

テキストは事前に配布する

オンライン講座で使うテキストについては、対面式講座で使用するテキストと違い、

  1. 情報量を多くする
  2. 事前配布する

ことが必要だと、著者は述べています。

また、オンライン講座を進める第一歩は「テキストを読み上げること」。そのためにも、テキストの充実をしておくと良いそうです。

 

 

自分の見え方もチェックする 

オンライン講座の際は、自分が受講者のパソコンにどう映っているか確認することも重要だと著者は述べています。その際のチェック項目は、以下の3点です。

  • パソコンのモニターにあなたを映した際、視線はどのように向かっていますか?
  • できるだけ、あなたの表情が伝わるようにカメラで映していますか?
  • 暗い部屋で暗い表情になっていませんか?

 

また、著者はバーチャル背景は使わないし、推奨しないそうです。

確かに、バーチャル背景は自宅などの背景を隠せるので非常に便利です。でも、カメラや道具などを提示する時には見えにくいという障害が多く発生しているのだとか。確かに、そういう気もします。

バーチャル背景を使わずに済む工夫-どこで行えば、バーチャル背景を使わずに済むのか-について、今のうちから考えておいた方が良いかもしれません。

 

やり方は人それぞれだけれど、満足度は高めたい!

 私自身、zoomを使ったセミナーを受けたことが何度かあります。

「運営のしかたがうまいな」と思ったものもありますが、中には「ちょっと、これは……。」と思うものもありました。事前の確認をいないのか、音声が聞きとりにくかったり、運営がグダグダだったり……。

やり方はそれぞれだと思いますが、学生さんが選択して授業を受講しているので、少しでも満足度を高めたいと思っています。学生さんの授業評価もありますしね。